ZORO祭り2007冬 TOKYO NOVA SESSION
presented by pal

 

鮮やかに放てよ。反攻の一撃を。
─Strike a Counterblow brilliantly ! ─

 

■アクトトレーラー

 

 

 軌道上にたゆたうイワサキグループの本陣、N◎VAを見下ろす難攻不落の城砦とも称されているオービタル・イワサキの最上階に存在する特別執務室── 一般的には会長室と認識されているその室内で“昏き星”篁綾は情報の深海を漂っていた。

 軌道における日本軍の情勢、半年後に行われる北米連合上院議員選挙における現与党の動向、ヴィル・ヌーヴ軍が突如実施した軍事演習、テラウェア・コーポレーションが送る次世代OSと噂される「TWウインドウズViViT」の開発状況、政治・経済・軍事・風俗、ありとあらゆる膨大な情報が次々と彼女により咀嚼されていく。

 その中で一つの情報が彼女の目に留まった。

 

 「なるほど…これは少し面白そうな状況だわ」

 

 他の雑多な情報を払いのけ、彼女の意識は今や一点に集中していた。一つの情報から推察される事実、それを裏付けるバックデータのリサーチ&エラー。その作業を数度繰り返し、間もなく彼女は真実に程近い解答を導き出した。
 
“昏き星”はその作業を終えるとすぐにコンソールを叩き、彼女のもっとも信頼する部下の一人にアクセスを試みた。

 「オミクロン、この推論に対して貴女はどう見るか、率直な意見を述べなさい」

 「まだそれを裏付けるデータが足りませんので、完全なる正確性を担保することはできませんが…私の出した解答も会長のそれと概ね相違ありません」

 全く抑揚のない声で超AIの一人、オミクロンはそう答える。

 「そう、ご苦労。至急関口にアクセスを。管理クラスSの案件よ、今現在実行中のオペレーションを全て保留案件にした上で、300秒以内に私に連絡を取るように伝えなさい」

 「畏まりました」

 再び静寂が訪れた特別執務室の中で、“昏き星”は独り微笑む。
 室内型の超マクロタップから繋がれている各種のリンクケーブルを全て外し、身体の自由を取り戻した彼女は、硬化テクタイト製の偏光透過性ガラスから眼下の地球を見下ろした。

 「少しの間、のんびりしすぎてしまったかもしれないわね。でも、お互いにツケを払うにはいい機会だと思わない?」

 

鮮やかに放てよ。反攻の一撃を──

 

 

■シナリオ・ハンドアウト

 

■PC1:クグツ1

 

■シナリオ内コネクション
 
ドゥーヴィル=エリセオ (推奨スート:ダイヤ)

■キャスト間コネクション
 PC4:トーキー

 一日の仕事を終えて、ほんの少しのまどろみの中に身を置こうとした君は、何かが爆発するような音を聞いた。これは夢なのか…それとも現実の出来事なのか…胸騒ぎを覚えた君はくたびれた身を起こして、窓から夜のN◎VAを眺めた。西の空が赤く燃えている。なんの根拠も無かったが、新たな仕事が──それも飛びっきり危険で魅力的な仕事が自分に降りかかってくる事をサムライの血が確かに感じ取っていた。

命に代えても成し遂げよ。主君に報いるために。

 

■PC2:クグツ2

 

■シナリオ内コネクション
 
ストロム=グラストラッカー (推奨スート:スペード)

■キャスト間コネクション
 PC3:フェイト(イヌ)

 いつもいつも、ヤバイ仕事ばかりが君のところにやって来る。もっともイワサキの情報処理局なんかに属している以上、楽な仕事なんてどこにも転がってないことは、十分に君も承知していることだろうが。ただ今回の仕事はわりと楽そうだ。単なる人物の素行調査が1件。場合によってはその人物とコンタクトを取ることになるかもしれないが、それでも今までこなしてきた仕事に比べれば造作も無い事だろう。
 「ああ、そうそう。一つ気をつけて欲しいのは…彼は千早の人間でね」
 そして今回もやはり、君のところには危険な香りの漂う仕事がやってくる。しかしそれは仕方の無いことなのかもしれない。ここに来たときからもう、君には他に道は残されてはいないのだから。

鮮やかに放てよ。反攻の一撃を。

 

■PC3:フェイト(もしくはイヌ)

 

■シナリオ内コネクション
 
デスモセディチ (推奨スート:クラブ)

■キャスト間コネクション
 PC1:クグツ1

 君は腕の良い、そして口の堅い有能なフェイトとして評判である。また、どの組織とも平等に距離を置いているからか、君に依頼をしてくるクライアントは実に多岐に渡っている。今回もまた1件新たな依頼があった。報酬は前渡しで1ゴールド、成功報酬でさらに1ゴールド。合わせると1プラチナムにもなる、最近ではご無沙汰の実入りの多い仕事である。今回のクライアントは成川商会と言い、ヨコハマLU$Tにあるそこそこ大手の企業だ。1プラチナムの仕事というからには、それなりに厄介な仕事になりそうではあるが、君はこの仕事を請けることにした。なにか大きな影がそこに潜んでいる…フェイトとしての勘が君を突き動かした。

解き明かせ。闇に潜む邪なる陰謀を。

 

■PC4:トーキー

 

■シナリオ内コネクション
 
九条正次 (推奨スート:ダイヤ)

■キャスト間コネクション
 PC2:クグツ2

 そこに事件がある限り、銃の代わりにカメラを背負い、剣の代わりにペンを持ち、盾の代わりにトロンを携え、君は何にも怯まず、何をも恐れず、取材活動を遂行する生粋のトーキーだ。他のチキンでファッキンなトーキーがケツまくって逃げ出すようなヤマであったとしても、君にとっては最高の獲物であり、宝の山であり、そしてもしかしたら棺桶なのかもしれない。
 そんなニュースジャンキーな君のところには、いつだってとびきりなネタがやってくる。それもむこうの方から。
 「千早とイワサキが派手にドンパチやらかすらしいぜ!」
 ほうら来やがった。

伝え、そして啓け。無知なる市民に真実を。

 

■シナリオスペック及び注意事項

 

●必要な神業
 本シナリオでは、ゲストの即死系神業だけでキャストが死亡するのを防ぐために、キャスト全員で2個以上の防御系神業を用意する必要がある。ただし、2個ちょうどしかない場合は、敵でないゲストが一人死亡する可能性がある。

●キャスト間コネクション
 以下の順番で取得すること。

「クグツ1」→「トーキー」→「クグツ2」→「フェイト(イヌ)」→「クグツ1」

 左のキャストが右のキャストのコネを得る。ただしPC4:トーキーがいない場合は以下のようにすること。

「クグツ1」→「クグツ2」→「フェイト(イヌ)」→「クグツ1」

●追加設定
 各キャストには以下の設定がつくことになる。キャスト選択時には留意すること。

「クグツ1」:千早重工に属するクグツである。
「クグツ2」:イワサキグループの情報処理局に属している。
「フェイト(イヌ)」:特になし。
「トーキー」:特になし。

●シナリオデータ
 プレイヤー:3人〜4人(4人推奨)
 プレイ時間:4時間半〜5時間
 アクト概要:N◎VAを舞台にした、企業間抗争シナリオ

●主要情報収集技能
 本アクトのリサーチシーンにおいて、役立つであろう技能は以下の通りである。

 社会:N◎VA、LU$T、ストリート、企業、各団体企業、警察、テクノロジー、ウェブなど
 コネ:企業関係者、情報屋、軍関係者、テクノロジー関係者など

●達成値・経験点上限
 一切制限はしないが、リサーチシーンでは達成値20程度が、戦闘時には25程度が出せるキャストであればスムーズにシナリオを進行できるだろう。
 また、200点を超えるような高経験点キャストには、それだけの場数を踏んでいるものととらえ、それ相応の活躍ができるよう、難易度の修正を行う場合もある。

 

■登場ゲスト

 

ドゥーヴィル=エリセオ(タタラ◎/46歳/男性)
 
最近になって出向先から千早重工に戻ってきたエンジニア。ボサボサの頭と分厚い眼鏡がトレードマーク。

ストロム=グラストラッカー(カゲ◎/?歳/男性)
 イワサキグループの情報処理局に属する、有能な工作員。PC2:クグツのキャストの同僚。柔軟な人当たりと懐の深さを備えたナイスガイ。

デスモセディチ(アラシ◎/?歳/男性)
 全身をジャンクサイバーパーツで固めた巨漢。ややサイコがかっている。

その他、篁綾、関口洋一郎、千早雅之、ミューズ、九条正次などが登場するだろう。

 

なお、ここに記載されている項目は都合により変更される場合がありますので、ご了承ください。
また、このハンドアウト作成にあたってR-I財団様のページを参考にさせていただきました。厚く御礼を申し上げます。