›January 15, 2006

たまには真面目に仕事の話でも

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今日はワタシが企画した、
8〜10歳までのお子様とその親御さんを対象にした
科学教室講座が行われました。

簡単なおもちゃ作りを通して、
そこに関連する科学的な事象に触れ親しんでもらい
理科・科学離れが進んでいると言うお子様たちに
少しでも興味を持ってもらおうと企画した講座であります。

先月も同様の趣旨の講座を行いました。
その時は物体の動きに関して
位置エネルギーや運動エネルギーと言う概念を
簡単な実験を通して学んでもらうというもので、
真空状態での物体の自由落下の様子や
鉄球を斜面で転がした際のその斜面の角度、
鉄球を離す高さ、鉄球の重さなどに見られる規則性などを
面白おかしく学んでもらう内容でした。

まー、アレです。
米村でんじろう先生のサイエンスショーを
もちっと真面目にしたような感じ。

今回作ったものは「起き上がりこぼし」「やじろべえ」
「こま」「バネのキツツキ」の4つです。

バネのキツツキはちょっと別なのですが、
「起き上がりこぼし」「やじろべえ」「こま」
この3つのおもちゃ工作からある事を学んで欲しかった訳ですね。

動きのあるおもちゃを作る場合に気をつけること、
それは「バランス」と「重心」の関係です。
詳しく説明する事は避けますが、
つまり物体を支える点と重心の位置関係が
物のバランスにとって、とても大事なのですねー。


支点と重心が遠く離れているとバランスは悪くなり
動きのあるおもちゃの場合は上手く動かなくなります。
さらに支点より重心が鉛直上の下部にある場合
その安定性は増します。
なおこの場合の重心は必ず物体上に存在しなくても良くて
やじろべえのように実は重心は支点と左右の手の頂点を結ぶ
三角形上の重心、つまり空間上に存在していてもよいのです。

ちなみに三角形上の重心を求める方法としては
それぞれの辺の中点とその向かいの頂点を結ぶ線の交点であり
3つの中線で分けられる6つの三角形の面積と重量は
この時全て等しくなります。故に重心と呼ばれる訳です。


と言うようなバックボーンなんて
子どもにはわかりゃあしません。それで良いんです。
大事な事は…起き上がりこぼしが倒しても起き上がったり、
やじろべえを揺らしても決して倒れる事がないのはなぜだろう
って疑問を持つことであり、
そのような疑問を持つことで科学に対する興味を抱く初めの一歩になれば
ワタシと今回お世話になった先生の狙いは達成されたということなのです。

案の定子どもたちは、はじめは「ポカーン」としていたのですが
自分たちで実際に工作することで直感的に感じ取って行ったようです。
ただ、重心の説明の際に、先生の話が
中点連結定理にまで及びそうになった時は
ちょいとマズイなと青ざめましたが。


その後は色々なこまをまわしてみながら
不安定な状態でこそ安定するこまの原理に触れてみたのですが
子どもたちもなかなか興味深そうでした。
特に地球ゴマは初めて見た子が多く、
その不思議な動きにたいそう不思議がっておりました。
ちなみに地球ゴマに関しては子どもよりも
お父さんたちのほうが夢中になってしまってちょっと困ったり。


2時間の科学教室はこうして終わった訳ですが、
はじめは「ポカーン」としていた子どもたちが
最後にはとても楽しそうに科学に触れていて
帰る際にも「とっても面白かったー」なんて言ってくれるものですから
ホントやってよかったなぁとちょいと感動してしまいました。
イベントや講座の企画に携わる者として
一番嬉しいのはまさにこの瞬間ですね。

再来週には社会教育施設の職員を対象にした研修講座があり、
来月には市の職員のためのまちづくりの研修講座まであって
その二つの企画運営の詰めの作業が根詰まってきており
少しばかりナーバスになっていたのですが
今日でちょっと救われた気がします。

また明日からがんばろう。

 
 
 
 
 
と、感慨に浸っていたワタクシ。
本日うちの施設で行われてたコスプレ交流会なるものの様子を
隠れ見に行こうと企んでいたのに完全忘却。残念。

Comments

ぜひとも私も作る側で参加したい気分ですw

私事で恐縮ですが、私も某学校時代、子供相手に絵を教える仕事をさせてもらったことがありましたが、分野は規模は違えど、子供に教えるそのアプローチなんかは通ずるものを感じます。絵も結局はデッサン力であり、描画力であり、それらは慣れもあれど一定の規則を持った、いわゆる「書き方の基本」があるわけですが、子供にとって重要なのはその理論ではなく、それを用いることによって、それまでまさに子供のお絵かきだったものが、漫画に、イラストレーションに、絵画に化け、その楽しさとヨロコビを感じてもらうところなんですよね。教える側にとってもなかなかに貴重な体験でございました。
科学の実験って、本質的に楽しいんですよね。勉強と思うと辛くなるんですが。

中点連結定理……久しく聴いていなかった言葉です……。そして、個人的にはそのコスプレ交流会なるイベントが実に気になります。夜も眠れぬくらいに。

Posted by: トヲル at January 16, 2006 12:55 AM

>トヲルさん
ワタシの場合は直接子どもに教える訳ではなかったのですが、
物事を教える喜びと難しさを同時に味わった気がします。
貴重な体験と言う点ではいっしょですねー。
そして学校の先生の大変さをほんの少し理解しました。

えーっと。
コスプレ交流会は、様子を窺ってきた同僚のコメントで推測してください。

同僚:「猫が…耳が…しっぽが…」

Posted by: pal at January 16, 2006 11:51 PM
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