›February 16, 2008

Voici un the

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Voici un the

あれは、どのくらい昔のことだったでしょうか。
まだ学生だった私と彼女はそれは仲の良い間柄でした。
歳が2つ離れていたこともあり、彼女は私にとって
本当の妹のような存在でした。

お互いにまだ若かったし、
これからの自分たちの未来は
夢や希望といった輝きに満ち溢れているものだとばかり
そんな浅はかな考えしか浮かばないほどの
世間知らずの少女たちだったのですから。

あれから随分と月日が流れました。
すっかり変わってしまった今の私を目にしたら
あの時の少女はきっと幻滅するわね…


トーキョーN◎VA Detonation 4th GIG
“Voici un the”

できることなら、もう一度あのお茶を一杯飲みたいわ────。


と、いうことで今回もN◎VAで1卓設けさせてもらった。
参加PLはあんだしょーさん、門臥さん、ふんぐるいさんの3名。
無理言って3名限定にさせてくれとお願いしていたのと
各キャストがこちらの推奨キャストとほぼ一致したため
実にスムーズな導入となった。

以下多少のネタバレになるので
読みたくない方は続きは見ない方が良いかと。


相馬士郎(PL:あんだしょーさん)は
神崎紅葉という女性フィクサーからの仕事の斡旋を受ける。
レーシュという婦人が探し物をしているので力になって欲しい…とのこと。
最高級ホテルのVIPルームに赴き、彼女から依頼を直に聞いた相馬。
彼女は若い頃に飲んでからずっと忘れられないでいる
とある紅茶を探して欲しいと言ってきた。
自分はあと2週間ほどでN◎VAを去らねばならないが
その前にもう一度あの紅茶を嗜みたい…彼女はそう寂しそうに言った。

トニー(PL:ふんぐるいさん)は千早冴子から依頼を受ける。
北米連合の検察当局から、とある人物の護衛の要請が来た。
その人物の名はレーシュ=ウィルド。
北米連合に本社を置く新進のIT企業ダレット社の
N◎VA支社常務取締役らしい。
彼女は北米連合で今大きな波紋を呼んでいる
汚職事件の重要な証人になりうる存在で
2週間後の公判に喚問されることが決まっている。
しかし、その証言を妨害するべく彼女を暗殺しようと言う動きがあり
事件の混沌化を懸念した北米検察当局から
ブラックハンドに重要証人としてのレーシュの護衛を要請してきたという。
ブラックハウンドにも腕利きのカブトは何人もいるが
それでもトニーに白羽の矢が立ったのは一つの理由があった。
今回の暗殺を請け負ったとされる殺し屋こそ
マーダーインクの殺し屋“首切り”ハガルであり、トニーの仇敵であったからだ。

N◎VAスポに属しているトーキー小金井鱗(PL:門臥さん)は上司である九条に呼ばれた。
彼が言うには、現在北米連合で大きな話題となっている
ダレット社と上院議員の汚職事件がどうやらN◎VAにも飛び火してくるらしい。
北米検察当局がダレット社のN◎VA支社のエグゼクを
次の証人喚問に呼ぶ動きがあるというからにはかなり信憑性の高いネタであろう。
九条は小金井にその裏を取り、可能であれば公判前にすっぱ抜けと命じてきた。
久しぶりの大きなヤマを目の前にして、愛用のプレートメイルを磨く小金井だった…

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オープニングはこんな感じ。多少脚色あり。
全部が依頼型の導入と言うことで
オーソドックスと言えば実にオーソドックス。
3者がそれぞれ微妙な接点を持つ感じでのオープニングとなった。

その後、相馬はレーシュの記憶を手がかりに
N◎VAでは珍しい天然ものの茶葉を扱う店を絞り込んでいくことで
依頼の遂行を試みていった。
やがて1件の天然茶葉輸入店を見つけ出した相馬は
そこの店主からレーシュと思しき女性の
過去に関する重要な手がかりを入手する。
彼女は本当に紅茶が飲みたかっただけなのだろうか…

トニーはレーシュの元に張り付き、ハガルによる襲撃に備えた。
レーシュのガードを優先することで彼女の被害は最小限に食い止められてはいたが、
逆にレーシュの存在が足枷になりなかなかハガルを追い詰められない。
ハガルもハガルで決定打に欠け、状況は完全に停滞化する。
そしてそれに業を煮やしたハガルはとうとう奥の手を出してきたのであった。

小金井はその持ち前のネットワークを駆使し、精力的にリサーチを行う。
北米連合における収賄事件やダレット社に関するリサーチを
地道に且つ大胆にこなし、徐々に事件の真相へと近づいていく。
そんな中、小金井もまた一人のキーパーソンにたどり着いた。
ダレット社N◎VA支社常務取締役レーシュ=ウィルドという女性だ。
体当たりレポートが信条の小金井は何のためらいもなく、レーシュの元に赴いた。
そこで彼女が語ったこととは…


ま、こんな具合でリサーチが展開されていったわけで。
約4時間という時間制限があったので、
基本的に必要な情報はサクサク出すことにした。
情報の出し方やイベント展開に
若干のご都合的な部分もあったかと思われるが、
テンポ良く話を進めるためには必要なことだと割り切ることにした。

プレイヤー間の絡みはというと、
レーシュを介してその場に居合わせるという展開が非常に多かった。
シナリオも後半の方に差し掛かると重要な情報の共有化などが図られ
いくつかの有機的な連携なども見られていたと思う。

クライマックスシーンは全員が一同に介し、
本シナリオの重要な目的が見事に集束された濃密なものとなった。
実際に戦闘シーンに入る前の「3度目のアフタヌーンティ」の場こそ
真のクライマックスシーンだったと思う。
ちなみに「あの場面」「ああいう風」になるだろうなと思って想定はしていたが、
そこをこちらの伏線を逆手に取った「3度目のアフタヌーンティ」への招待という形で
演出しあげた手腕というかプレイアビリティには感心させられた。
非常に美しい展開であったと思う。

クライマックスの戦闘を経て、
さぁ山積された問題をどう整理しようかと言う最後の最後の場面でも
キャストたちはこちらが想定していた解決方法をより上回る案を提示してきて、
結果的に皆が幸せなエンディングを迎えられることとなった。
まぁ、結果トニーが一人そのしわ寄せを喰らうことになるのだが、
クール且つ大人のトニーは、自身のアイデンティティを抑えることで
大団円のために一肌脱いでくれたんだと思う。きっとそうだ。

細かいところをあげるといろいろときりが無いが、
導入、リサーチ展開はまずまず、
クライマックスの作り方に関しては非常に
レベルの高いセッションになったのではないかと思う。

最後に各キャストに対する雑感を。

相馬士郎(PL:あんだしょーさん)
三枚舌のフェイトと言うことで、設定的には胡散臭いフェイトというイメージなのだが
その実は非常にオーソドックス且つ安定感のあるフェイトを演じてくれた。
これは前々回のCounterblow!!の時もそうだったし、
つくづく、そのキャストのバランスのよさが目立っていたと思う。
また、妙齢のご婦人ばかり登場するというシナリオにおいて
非常にジェントルな振る舞いであったと思う。あれはなかなかのものだよ。
リサーチも必要な情報はほぼ全て拾っていたし、真実の使いどころも完璧だった。
ただ最後の戦闘のプリーズだけは勘弁な。
相馬のプリーズに完全にやられてしまったのはこれで二度目だよ…
次は確実にリベンジしてやる。

トニー(PL:ふんぐるいさん)
あまりN◎VAの経験は無いと語っていたが、
なかなかどうして渋い役回りをこなしてくれた。
与えられた任務には忠実、こちらからちょっと弄ってやれと
何度か投げナイフでちょっかいをかけてみたが
レーシュのガード最優先の立場は最後まで崩れず、
ある意味、プロのカブト魂をそこに見た。
不意打ちのシーンが多かったため知覚が無いことに
非常に苦労していたようだが、
最後は無事に依頼人を護りきりカブトの面目を保った。
エンディングではちょっと辛い立場になってしまったが
あれもまたキャストの味であると考えれば今となっては評価したい。

小金井鱗(PL:門臥さん)
とにかく大暴れ系のキャストという先入観があったのだが、
蓋を開けてみれば確かに大暴れはしていたものの、
一つ一つの行動は無駄がなく、また確実に情報を集め再分配していくプレイ振りは
トーキー系キャストのお手本になると言っても良いと思った。
PC3ながら最後には一番目立っていたのもお見事。
確かに今回の小金井は世界を動かした。
秀逸だったのはクライマックスシーンの後の話の収束っぷり。
半分は俺も想定していたエクスポーズの使い方。
もう半分は完全に予想外。
しかし、確かに効果的だし世界をよりドラスティックに動かすだろう。
色々と評判は耳にしていたが、
少なくとも俺は小金井という一人のトーキーに好印象を持った。


こんな感じで1日目の俺のN◎VAセッションは終了。
終わってみれば19:30。プレイ時間は4時間半だから
ほぼ想定どおりの時間で終えられた。
自分としてはなかなか満足のいったセッションだったんだが、
PL諸氏にとっても喜んでいただけたのであれば幸いだ。
もうしばらくN◎VAのRLはやらねぇぞと思ってたんだが、
楽しさを改めて実感しちまうと、またやりたくなってしまうのはやはり人情と言うものか。


プレイ後の夜飯とか、風呂とか就寝前のFLUXXとか
放射状に敷かれた布団とかしりとりとか
ツンデレ金髪ツインテールニーソックスタヌキとか
その辺に関する記載は省略ってことで。
簡潔に言うとどれも狂気じみていて非常に楽しかった。

Comments

この文章で容易に脳内百合変換できる俺末期

Posted by: 一茶型 at February 22, 2008 02:01 PM

>一茶型くん
大丈夫だ、そういう要素も全く無かった訳ではない。
50歳近くのご婦人の…、ということになるが。

Posted by: pal at February 22, 2008 07:00 PM
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